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「高級ワインは酔わない」という話を耳にしたことはありますか?
せっかくの美味しいワインだからこそ、悪酔いや二日酔いで残念な思い出にしたくないものです。
ワインで酔わないのは特別な体質を持つ人だけなのでしょうか?
中には「チューハイだとすぐに酔うのに、ワインなら大丈夫」と感じる方もいるかもしれません。
この記事では、そんなワインと酔いの関係にまつわる様々な疑問に、深く掘り下げてお答えします。二日酔いを防ぐための具体的な飲み方のコツから、
「なぜか赤ワインだけ酔ってしまう」
「白ワインなら酔わない」
という説の真偽まで、網羅的に解説します。
さらに、万が一飲み過ぎて気持ち悪くなってしまった時の正しい対処法まで、詳しくご紹介します。
この記事を読めば、ワインとの付き合い方がもっと上手になるはずです。
- 高級ワインと安いワインで酔い方が違うのかが分かる
- ワインで悪酔いする人としない人の体質の違いを理解できる
- 二日酔いを防ぐための具体的な飲み方が身につく
- もし酔ってしまった場合の正しい対処法が学べる
高級ワインは酔わない噂の真相と酔いの原因
安いワインは悪酔いし高級ワインは酔わない?
「安いワインは悪酔いするが、高級ワインは翌日に残らない」という説は、ワイン好きの間でまことしやかに語られますが、これは科学的に証明された事実ではありません。
ワインの価格と酔いやすさの間に、直接的な因果関係は確認されていないのが実情です。
では、なぜこのような体感の違いが生まれるのでしょうか。考えられる要因をいくつか見ていきましょう。
飲み方の違いによる影響
最も大きな要因として考えられるのが、飲み方の違いです。
- 安いワインの場合: 数百円から手に入るテーブルワインは、フルーティーで口当たりが軽やかなものが多く、食事と合わせて気軽に楽しめます。そのため、ジュース感覚でゴクゴクと飲んでしまい、知らず知らずのうちに飲むペースが速くなりがちです。結果として、短時間で多くのアルコールを摂取し、悪酔いや二日酔いに繋がるケースが多くなります。
- 高級ワインの場合: 一方、高級ワインは複雑で奥行きのある香りや、繊細な味わいの変化を楽しむものです。一杯をじっくりと時間をかけて、五感を使いながら味わうため、自然と飲むペースは穏やかになります。これにより、血中アルコール濃度の上昇が緩やかになり、結果的に「酔いにくい」と感じるのです。
製造過程の違いによる説
もう一つの説として、製造過程における不純物の量が関係しているという考え方があります。
ブドウを圧搾する際、最初に優しく搾った果汁は「一番搾り(フリーランジュース)」と呼ばれ、最もクリーンで雑味のない部分です。高級ワインの多くは、この一番搾りのみを使用します。
しかし、生産量を増やすために、その後さらに圧力をかけて搾った「二番搾り」「三番搾り」の果汁まで使用することがあります。これらの果汁には、ブドウの果皮や種から出るタンパク質やアミノ酸といった成分が多く含まれます。これらの成分がワインの雑味となり、体内で分解されにくい不純物として、悪酔いを引き起こす一因になるのではないか、という説です。
ポイント
安いワインも高級ワインも、酔いの主成分であるアルコール(エタノール)は同じです。悪酔いの最大の要因は、価格に関わらずアルコールの過剰摂取にあります。高級ワインであっても、適量を超えて飲めば必ず酔いますし、二日酔いにもなります。価格のイメージに惑わされず、自身の適量を守って楽しむことが最も重要です。
ワインで酔わないのは体質が影響するのか
ワインを含め、アルコール全般の酔いやすさは、個人の体質に大きく左右されます。同じ量のワインを飲んでも全く平気な人もいれば、一杯で顔が真っ赤になり、気分が悪くなる人もいます。この決定的な違いは、主に遺伝によって決まるアルコールの分解能力に起因します。
アルコール分解のメカニズム
体内に摂取されたアルコール(エタノール)は、肝臓で分解されます。そのプロセスは2段階に分かれています。
- 第一段階: アルコールは、まず「ADH(アルコール脱水素酵素)」によって「アセトアルデヒド」という有害な物質に分解されます。このアセトアルデヒドこそが、頭痛、吐き気、動悸といった悪酔いの症状を引き起こす元凶です。
- 第二段階: 次に、この有害なアセトアルデヒドを、「ALDH2(アセトアルデヒド脱水素酵素2型)」という酵素が無害な酢酸に分解します。酢酸は最終的に水と二酸化炭素になり、体外へ排出されます。
このALDH2の働き(活性度)が、お酒に強いか弱いかを決める鍵となります。
遺伝子による3つのタイプ
ALDH2の働きは、遺伝子の型によって以下の3つに分類されます。
- 活性型(NN型): 酵素の働きが非常に活発。アセトアルデヒドを素早く分解できるため、悪酔いしにくい、いわゆる「お酒に強い」タイプ。
- 低活性型(ND型): 酵素の働きが弱い。アセトアルデヒドの分解が遅く、体内に長時間留まるため、悪酔いしやすいタイプ。
- 非活性型(DD型): 酵素が全く働かない。アセトアルデヒドをほとんど分解できないため、少量のお酒でも気分が悪くなる「全く飲めない」タイプ。
日本人は、欧米人などと比較して、2番目の「低活性型」が約40%、3番目の「非活性型」が約4%存在すると言われています。つまり、日本人の約半数近くは、遺伝的にお酒に強くない体質を持っているのです。
重要
このアルコール分解能力は、お酒を飲み続けることで鍛えられるものではなく、生涯変わることはありません。「飲み慣れ」によって酔った状態に順応することはあっても、分解能力そのものが向上するわけではないのです。自分の体質を正しく理解し、無理のない範囲でワインを楽しむことが、健康を守る上で非常に大切です。
チューハイで酔うのにワインで酔わない理由
「チューハイだとすぐに酔うのに、ワインならあまり酔わない」
という不思議な体験をする方がいます。
同じアルコール飲料なのに、なぜこのような体感の違いが生まれるのでしょうか?
これには、いくつかの要因が複合的に関わっていると考えられます。
1. 飲み方のペースと吸収速度
前述の通り、飲むペースは酔い方に大きく影響します。
チューハイは爽快な炭酸と甘さから、喉の渇きを潤すようにゴクゴクと飲んでしまいがちです。これにより、血中アルコール濃度が急激に上昇します。
一方、ワインは香りや味わいを楽しみながらゆっくりと飲むことが多く、吸収が比較的穏やかになります。
結果として、同じアルコール量を摂取しても、ワインの方が「酔いにくい」と感じることがあります。
2. 含まれる成分の違い
- 糖分: 市販のチューハイの多くには、飲みやすくするために糖分が添加されています。この糖分はアルコールの吸収を促進する働きがあると言われており、急激な酔いに繋がっている可能性があります。辛口のワインには糖分がほとんど含まれないため、吸収が比較的穏やかになると考えられます。
- 炭酸ガス: チューハイやスパークリングワインに含まれる炭酸ガスは、胃壁を刺激して血流を促進し、アルコールの吸収を速める作用があるとされています。そのため、炭酸を含むチューハイは酔いやすいと感じる一因になり得ます。
3. 醸造酒と蒸留酒の違い
少し専門的になりますが、お酒の種類も関係しているかもしれません。
- 醸造酒(ワイン、ビール、日本酒など): 酵母による発酵で造られるため、主成分のエタノール以外にも、様々な種類のアルコールや香味成分が数十種類含まれています。肝臓がこれら複数の成分を分解するには時間がかかり、体内に残りやすいと言われます。
- 蒸留酒(焼酎、ウォッカ、ウイスキーなど): 醸造酒を蒸留して造られるため、アルコールの純度が高く、不純物が少ないのが特徴です。チューハイのベースとなる焼酎などは蒸留酒であり、ワインに比べて分解がスムーズなため、酔いが覚めやすいと感じる可能性があります。
まとめ
「チューハイで酔い、ワインで酔わない」という感覚は、飲むペース、糖分や炭酸の有無、お酒の種類といった複数の要因が重なって生じる体感の違いと言えます。アルコール度数だけでなく、こうした特性も理解して、自分に合ったお酒の楽しみ方を見つけることが大切です。
赤ワインだけ酔うと感じる原因はヒスタミン
ワインの中でも、特に「赤ワインを飲むと決まって頭痛がする」「悪酔いしやすい」という経験を持つ方は少なくありません。白ワインや他のお酒では大丈夫なのに、なぜ赤ワインだけが不調を引き起こすのでしょうか。
その原因の一つとして有力視されているのが、「ヒスタミン」や「チラミン」といった生体アミン類の存在です。
ヒスタミンの影響 – ズキズキする頭痛
ヒスタミンは、アレルギー反応に関わる物質として知られていますが、血管を拡張させる作用も持っています。血管が拡張すると、脳の神経が圧迫され、ズキズキとした拍動性の頭痛を引き起こすことがあります。
赤ワインは、ブドウの果皮や種も一緒にタンクに入れて発酵・熟成させる過程(特にマロラクティック発酵)で、このヒスタミンが白ワインよりも多く生成される傾向にあります。そのため、ヒスタミンに敏感な体質の方が赤ワインを飲むと、アレルギーのような症状や頭痛を感じやすいのです。
チラミンの影響 – 締め付けられるような痛み
チラミンもまた、頭痛を引き起こす可能性のある物質です。
ヒスタミンとは逆に、血管を収縮させる作用があります。その後、体が元の状態に戻ろうとして血管が急激に拡張するリバウンドが起こり、この時に片頭痛のような強い痛みを誘発することがあります。
このチラミンも、赤ワインに比較的多く含まれています。
要注意!チラミンを多く含むおつまみ
さらに厄介なことに、チラミンは赤ワインと相性抜群のおつまみに豊富に含まれています。
- 熟成チーズ(チェダー、パルメザン、ブルーチーズなど)
- 加工肉(サラミ、生ハム、ソーセージなど)
- チョコレート
- ナッツ類、イチジクなど
赤ワインとこれらのおつまみを一緒に楽しむことで、知らず知らずのうちにチラミンを過剰摂取し、頭痛のリスクを高めている可能性があるのです。
これらの成分に対する感受性は個人差が非常に大きいため、同じ赤ワインを飲んでも全く影響がない人もいます。
もしあなたが赤ワインで決まって不調を感じるのであれば、ヒスタミンやチラミンが原因かもしれません。そのような場合は、赤ワインを避けるか、飲む量を少量に留めるなどの対策が有効です。
悪酔いを避けるなら白ワインは酔わない?
「赤ワインは悪酔いしやすいから、代わりに白ワインを選ぶ」という方は賢明かもしれません。実際に、白ワインの方が赤ワインに比べて悪酔いしにくいと感じるのには、科学的な理由があります。
しかし、「白ワインなら絶対に酔わない」というのは大きな誤解です。
白ワインが悪酔いしにくい理由
- 原因物質の少なさ: 前述の通り、悪酔いの一因とされるヒスタミンやチラミンは、主にブドウの果皮や種に含まれ、醸造過程で生成されます。白ワインは、基本的にブドウの果皮や種を取り除き、果汁のみを発酵させて造られます。そのため、これらの原因物質の含有量が赤ワインに比べて格段に少ないのです。これが、白ワインの方が悪酔いしにくいと感じる最大の理由です。
- 飲む温度: 白ワインは一般的に5℃〜12℃程度にしっかりと冷やして飲みます。温度が低い飲み物は、胃から小腸への移動が常温のものより遅くなるため、アルコールの吸収が比較的穏やかになります。体温に近い温度で楽しまれることが多い赤ワインに比べ、酔いの回りがゆっくりと感じられるかもしれません。
それでも白ワインで酔う理由と注意点
白ワインが悪酔いしにくい傾向があるのは事実ですが、油断は禁物です。
白ワインの注意点
- 飲みやすさの罠: 白ワインはフルーティーでさっぱりとした口当たりのものが多く、非常に飲みやすいのが特徴です。特に甘口の白ワインやスパークリングワインは、ジュースのような感覚で飲めてしまうため、気づいた時には適量を超えていた、という事態に陥りやすいのです。
- アルコール度数: 「白ワインはアルコールが低い」というイメージがあるかもしれませんが、一概には言えません。甘口のデザートワインなどでは6~10%程度のものもありますが、辛口のシャルドネやソーヴィニヨン・ブランなどは13~15%と、力強い赤ワインと変わらないアルコール度数のものも少なくありません。
- 酸化防止剤(亜硫酸塩): ワインの品質を保つために使われる酸化防止剤(亜硫酸塩)に敏感な体質の方もいます。これが頭痛や体調不良の原因となる可能性も指摘されていますが、含有量は国の基準で厳しく定められており、一般的に人体に影響を及ぼすレベルではありません。
結論として、白ワインは悪酔いの原因物質が少ないため、赤ワインで不調を感じる方にとっては良い選択肢となり得ます。
ただし、それはあくまで「悪酔いしにくい傾向がある」というだけであり、「酔わない」わけではありません。どんなワインであっても、飲み過ぎれば必ず酔います。飲みやすさに惑わされず、自分のペースを守ることが肝心です。
高級ワインでも酔わないための具体的な対策
ワインで酔うのは何杯から?適量を知ろう
ワインを心から楽しむ上で、「自分にとっての適量はどれくらいか」を把握しておくことは、悪酔いを防ぐための最も基本的な自己管理です。
酔い始めるアルコールの量は、性別、年齢、体重、遺伝的な体質、そしてその日の体調によって大きく変動しますが、健康的な飲酒量の目安として国が示す基準があります。
日本の厚生労働省が推進する「健康日本21(第二次)」では、「節度ある適度な飲酒」として、1日平均の純アルコール摂取量を約20g程度と推奨しています。この「純アルコール20g」が、様々な種類のお酒の適量を考える上での共通の物差しとなります。
では、純アルコール20gとは、ワインに換算すると具体的にどれくらいの量になるのでしょうか。アルコール度数12%の一般的なワインを例に、以下の計算式で算出できます。
純アルコール量の計算式
お酒の量(ml) × (アルコール度数(%) / 100) × 0.8(アルコールの比重) = 純アルコール量(g)
この式に当てはめると、純アルコール20gに相当するワインの量は約208mlとなります。レストランなどで提供されるグラスワイン1杯が約125ml~150ml程度なので、だいたいグラス1杯半から2杯弱が1日の適量の目安ということになります。
他のお酒と比較すると、その量の違いがより明確に理解できます。
| お酒の種類 | アルコール度数(目安) | 相当する量 |
|---|---|---|
| ワイン | 12% | 約208ml(グラス1.5杯程度) |
| ビール | 5% | 500ml(ロング缶1本) |
| 日本酒 | 15% | 180ml(1合) |
| 焼酎(ロック) | 25% | 100ml |
| ウイスキー(ダブル) | 43% | 60ml |
この表からも分かる通り、ワインはビールに比べて少ない量でも同程度の純アルコールを摂取することになります。
飲みやすいからといってビールと同じ感覚で飲んでいると、あっという間に適量を超えてしまうため、特に注意が必要です。
もちろん、これはあくまで平均的な健康な成人を対象とした目安です。
アルコールの分解能力が遺伝的に低い方や、女性、高齢者の方、また体調が優れない日は、これよりも少ない量が適量となります。
日々の自分の体と対話しながら、「ほろ酔い」で心地よく終われるパーソナルな量を見つけることが、ワインと長く、そして健康的に付き合っていくための鍵となります。
アルコール分解に関わる酔いにくい人の特徴
お酒の席で、周りが酔いつぶれていく中、どれだけ飲んでも顔色一つ変えずに平然としている人がいます。このような「酔いにくい人」、いわゆる「お酒が強い人」には、どのような体の仕組みがあるのでしょうか?
その秘密は、前述の通り、遺伝的に受け継がれたアルコールの分解能力の高さにあります。
酔いにくい人の体内プロセス
悪酔いの元凶であるアセトアルデヒドを分解する酵素「ALDH2」の働きが非常に活発な遺伝子タイプを持つ人は、体内でアルコールを効率的に処理できます。
- アルコールを摂取すると、肝臓で速やかにアセトアルデヒドに分解されます。
- 発生した有害なアセトアルデヒドを、活性度の高いALDH2が間髪入れずに、無害な酢酸へと次々に分解していきます。
- 結果として、有害なアセトアルデヒドが血中にのって体内を巡り、脳や他の臓器に影響を及ぼす時間が極めて短くなります。そのため、頭痛や吐き気といった不快な症状がほとんど現れないのです。
この優れた分解能力は、残念ながら後天的な努力で手に入るものではありません。お酒をたくさん飲む習慣をつけたからといって、ALDH2の活性が高まるわけではないのです。
「お酒に強い」ことの健康リスク
お酒に強い体質は一見うらやましく思えますが、実は大きな健康リスクをはらんでいます。
酔いにくい人が注意すべき点
- 過剰摂取のリスク: 酔いによる不快な症状が出にくいため、自分の限界が分からず、ついつい許容量を超えて大量に飲んでしまいがちです。アルコールの絶対摂取量が増えれば、分解する肝臓への負担は確実に増大します。
- 肝臓へのダメージ: 症状として現れにくくても、体内では大量のアルコールを処理するために肝臓が常に酷使されています。これが長期間続くと、アルコール性脂肪肝や肝炎、さらには肝硬変、肝臓がんといった深刻な病気につながるリスクが著しく高まります。
- アルコール依存症のリスク: 身体的な苦痛を感じにくいため、精神的な依存に陥りやすく、アルコール依存症になるリスクがお酒に弱い人よりも高いとされています。
酔いにくいという自覚がある人ほど、「自分は大丈夫」と過信せず、意識的に飲む量をコントロールし、週に2日以上の休肝日を設けることが、将来の健康を守るために不可欠です。体質に関わらず、誰にとっても「節度ある適度な飲酒」が大切であることに変わりはありません。
二日酔いにならないための予防策とは
楽しいワインの時間を、翌日の辛い二日酔いで台無しにしないためには、事前の準備と飲んでいる最中の工夫が非常に効果的です。
少し意識するだけで、体への負担を大きく軽減し、翌日を快適に迎えることができます。
飲む前にできること
空腹の状態でいきなりアルコールを摂取するのは、二日酔いへの最短ルートです。
胃が空っぽだと、アルコールが胃を素通りして小腸から急速に吸収され、血中アルコール濃度が一気に上昇してしまいます。
飲む前の賢い一手間
- 何か食べておく: 飲酒の30分~1時間前に、おにぎりやサンドイッチなど、軽く食事を摂っておくのが理想です。胃の中に食べ物があることで、アルコールの吸収が穏やかになります。
- 油分や乳製品を摂る: ヨーロッパでは、ワインを飲む前にオリーブオイルをスプーン一杯飲むという話もあります。油分やチーズ、牛乳、ヨーグルトなどの乳製品は、胃の粘膜に薄い膜を作り、アルコールの刺激を和らげ、吸収を遅らせる効果が期待できます。飲み会で最初にカルパッチョやチーズの盛り合わせを注文するのは、理にかなった選択です。
飲んでいる最中に心がけること
ワインを楽しんでいる間も、いくつかポイントを押さえておくだけで、体への優しさが格段に変わります。
- チェイサー(水)を必ず飲む: チェイサーとは「追い水」のことです。ワインを飲んだら、同量かそれ以上の水を飲むことを徹底しましょう。水は体内のアルコール濃度を薄めるだけでなく、アルコールの強い利尿作用による脱水症状を防ぐ上で極めて重要です。二日酔いの頭痛や倦怠感の大きな原因は、この脱水症状にあります。
- 高タンパク質のおつまみを選ぶ: アルコールを分解する主役である肝臓。その働きをサポートするのがタンパク質です。肉料理(ステーキ、ローストビーフ)、魚介類(グリル、カルパッチョ)、豆類(枝豆、フムス)、卵料理など、タンパク質が豊富なおつまみを意識的に一緒に食べることで、肝臓の負担を和らげることができます。
- ゆっくりとしたペースで飲む: ワインは時間をかけて楽しむお酒です。会話や食事を楽しみながら、グラスをゆっくり傾けることが大切です。血中アルコール濃度が急激に上がるのを防ぎ、自分の酔い具合を正確に把握しやすくなります。「美味しいから」と立て続けに飲むのは避けましょう。
これらの予防策は、どれも簡単に実践できるものばかりです。習慣にすることで、ワインとの付き合い方がより上手になり、翌日もすっきりと過ごせるようになるでしょう。
気持ち悪い時の効果的な対処法を紹介
予防策を講じていても、つい飲み過ぎてしまったり、その日の体調によっては悪酔いしてしまったりすることもあります。
もしワインを飲んで気持ち悪くなってしまったら、自己判断で無理な対処をするのではなく、体をいたわる正しいステップで回復に努めることが何よりも大切です。
1. まずは水分補給を徹底する
悪酔いや二日酔いの際、体はアルコールの利尿作用によって深刻な脱水状態に陥っています。これが吐き気や頭痛、倦怠感といった症状の主な原因です。失われた水分とミネラルを補給することが、回復への第一歩です。
何を飲むべきか?
- 最適: 失われた水分、ミネラル、塩分を効率よく補給できるスポーツドリンクや経口補水液が最も効果的です。
- 次善: ミネラルが豊富な麦茶や、アミノ酸が含まれるアミノ酸飲料もおすすめです。
- 注意: ただの水でも良いですが、ミネラルは補給できません。また、コーヒーや緑茶に含まれるカフェインには利尿作用があるため、水分補給のつもりで飲むと脱水症状を悪化させる可能性があります。もし飲む場合は、必ず同量以上の水も一緒に摂りましょう。
2. 胃腸に優しい食事を摂る
気分が悪い時は食欲がないかもしれませんが、アルコールの分解には多くのエネルギー(糖分)とビタミンが使われています。無理のない範囲で、消化が良く、肝臓の働きを助けるものを口にしましょう。
- しじみの味噌汁: しじみに含まれるアミノ酸の一種「オルニチン」は、肝臓の働きを助け、アセトアルデヒドの分解を促進すると言われています。味噌汁であれば、温かく、水分と塩分も同時に補給できるため、二日酔いの朝の定番として非常に優れています。
- ビタミンB1が豊富な食品: アルコールを分解する過程で、特にビタミンB1が大量に消費されます。豚肉や豆腐、大豆製品に多く含まれているため、胃に優しい湯豆腐や、脂身の少ない豚肉を使った冷しゃぶサラダなどで補給すると良いでしょう。
- フルーツやヨーグルト: 固形物が喉を通らない時は、胃への負担が少ないヨーグルトや、糖分とカリウムを補給できるバナナ、消化を助ける酵素を含むリンゴなど、酸味の少ないフルーツがおすすめです。
3. とにかく安静にする
体内でアセトアルデヒドが完全に分解されるには、時間が必要です。焦ってサウナで汗をかいたり、運動したりするのは、脱水症状を悪化させるだけで非常に危険です。
体を横にして、できるだけ安静に過ごしましょう。十分な睡眠をとることが、酷使された肝臓を休ませ、回復を早める上で最も効果的な方法です。
どうしても症状が改善せず、日常生活に支障をきたすほど辛い場合は、無理せず市販の胃腸薬や頭痛薬に頼るのも一つの手です。ただし、薬を服用する際は用法用量を守り、できるだけ空腹時を避けるようにしてください。
まとめ:高級ワインで酔わないための飲み方
- 「高級ワインは酔わない」という説に科学的根拠はない
- ワインの価格差は製造の手間やブドウの品質、希少性によるもの
- 悪酔いの主な原因は価格ではなくアルコールの総摂取量
- 安いワインは飲みやすさから無意識にペースが上がりやすい傾向がある
- 酔いやすさはアルコール分解酵素(ALDH2)の遺伝的体質に大きく左右される
- 日本人は遺伝的にお酒に強くない体質の人が約半数を占める
- 赤ワインで頭痛がするのはヒスタミンやチラミンが原因のことがある
- 白ワインは悪酔いの原因物質が少ないが飲み過ぎれば必ず酔う
- 健康的な飲酒の目安は1日純アルコール20g程度とされている
- ワインに換算するとグラス1杯半から2杯弱が適量の目安
- 酔いにくい体質の人も肝臓への負担は同じなので過信は禁物
- 空腹時の飲酒はアルコールの吸収を急激にするため避ける
- ワインと同量以上のチェイサー(水)を飲むことが脱水症状の予防になる
- 高タンパク質のおつまみは肝臓のアルコール分解を助ける
- 悪酔いして気持ち悪い時はスポーツドリンクなどで水分とミネラルの補給が最優先
- しじみの味噌汁やビタミンB1を含む消化の良い食事が回復を助ける


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