ロマネコンティ1985の価格と評価|パーカー満点の当たり年を解説

高級ワイン

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ワイン愛好家にとって憧れの頂点に君臨するロマネコンティの中でも、1985年は特別な輝きを放つヴィンテージとして知られています。

市場価格が高騰を続ける一方で、なぜこの年が当たり年としてこれほど高い評価を受けているのか、その理由を詳しく知りたいという方も多いのではないでしょうか。

また、高額なワインであるがゆえに偽物の存在も気になるところです。

この記事では、パーカーポイント満点を獲得した伝説的な味わいの特徴から、最新の資産価値や真贋の見極め方まで、1985年の魅力を余すところなく解説します。

この記事のポイント

  • 1985年がブルゴーニュの歴史に残る奇跡の当たり年と言われる理由
  • パーカーポイント100点を獲得した官能的で華やかな味わいの特徴
  • 近年の価格高騰とオークション市場における資産価値の推移
  • 高額ヴィンテージを購入する前に知っておくべき偽物の見分け方

ロマネコンティ1985の評価と味わい

ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(DRC)が手掛けるワインの中でも、1985年はまさに「神話」とも言える評価を獲得しています。

ここでは、

  • なぜ、このヴィンテージが別格とされるのか、
  • その気候的な背景や著名な評論家たちによる言葉、
  • そしてラ・ターシュなど他の銘柄との違い

について深掘りしていきましょう。

1985年は奇跡の当たり年

ブルゴーニュワインの品質は、その年の気候条件によって劇的に変化しますが、ロマネコンティの1985年は、まさにドラマのような天候が生んだ奇跡の産物です。

この年の1月、フランス全土を記録的な寒波が襲いました。

気温はマイナス20度から30度近くまで下がり、多くのブドウ樹が凍害の危機に瀕したのです。

しかし、幸運なことにその直前に降っていた雪が断熱材の役割を果たし、ブドウの根を守り抜きました。

さらに、厳しい寒さが弱い樹を淘汰し、害虫のリスクを減らすという自然の選定が行われたのです。その後、春の訪れは遅れましたが、夏から収穫期にかけてはブルゴーニュの歴史に残るほどの完璧な天候に恵まれました。

1985年の気候ハイライト
・1月の歴史的厳冬:弱い樹が淘汰され、生き残った樹に生命力が凝縮
・完璧な夏:8月・9月の乾燥した好天が凝縮感のある果実を育成
・レイトハーベスト:収穫を10月まで遅らせることで極限まで熟度を高めた

雨が少なく日照量が豊富な「ドライ・ヴィンテージ」となったことで、果皮は厚くなり、腐敗のリスクも皆無でした。

さらに、DRCは厳しい収量制限を行い、ヘクタールあたりわずか24ヘクトリットルという低収量に抑えました。

この「自然の厳しさ」と「完璧な夏」、そして「人の手による選果」の全てが噛み合った結果、驚くべき凝縮感を持つワインが誕生したのです。

パーカーポイント満点の評価

世界で最も影響力のあるワイン評論家、ロバート・パーカー氏は、このロマネコンティ1985に対してこれ以上ない賛辞を送っています。

彼はこのワインに「100点満点」を与え、「精神を揺さぶるような体験」、「赤ワインにおいてこれ以上のものは存在しない」と評しました。

パーカー氏が高得点を付けるワインは、しばしば濃厚でパワフルなタイプが多いとされますが、1985年のロマネコンティに関しては、単なる力強さだけでなく、心を奪われるような情緒的な魅力が評価されています。

技術的に欠点がないというレベルを超えて、飲み手の感情に直接訴えかけてくるような「魔力」を持っていると言えるでしょう。

官能的と評される香りの特徴

1985年のロマネコンティの最大の特徴は、その香りの華やかさと複雑さにあります。

グラスに注いだ瞬間から立ち上るアロマは、しばしば「官能の極致」と表現されます。

DRCの特徴である全房発酵(除梗せずに茎ごと発酵させる手法)が、1985年の完熟した茎のおかげで完璧に機能しており、シナモンやクローブといったスパイスの香りがワインに深みを与えています。

また、ブルゴーニュの権威であるアレン・メドーズ氏は、このワインから「醤油」や「海鮮醤(ホイシンソース)」、そして「乾燥したバラの花弁」といったニュアンスを感じ取っています。

これは熟成した最高峰のピノ・ノアールだけが持つ、東洋的なスパイスや旨味の要素です。

一方で、ジャンシス・ロビンソン氏は「非常に艶めかしく、誘惑的」と表現しており、力強さと繊細さ、そして妖艶さが同居している点が、このヴィンテージの真骨頂だといえます。

ロマネコンティ1985の飲み頃

生産から40年近くが経過した2025年現在、ロマネコンティ1985はどのような状態にあるのでしょうか。

多くの専門家は、今こそが「完全な熟成のピーク(プラトー)」であると判断しています。果実味は依然として豊かで、熟成による複雑味が加わり、まさに飲み頃の絶頂期です。

もちろん、骨格が非常にしっかりしているため、保存状態が完璧であれば2030年代、あるいは2040年頃までその輝きを保つ可能性は十分にあります。

しかし、投資として保有するのではなく、ワインとしての体験を最優先するのであれば、果実の甘みが枯れ始める前の「今」楽しむのがベストな選択かもしれません。

1985年のラ・ターシュとの比較

同じDRCのラインナップの中で、ロマネコンティの最大のライバルとされるのが「ラ・ターシュ」です。

1985年はラ・ターシュにとっても偉大な年であり、こちらもパーカーポイント100点(またはそれに準ずる評価)を獲得することがあります。

ロマネコンティとラ・ターシュのキャラクターの違い

  • ロマネコンティ 1985:球体のような完璧なバランス、フィネス、高貴で外交的な華やかさ。
  • ラ・ターシュ 1985:より男性的で筋肉質、爆発的なアロマと野太い骨格。

味わいのスタイルとしては、ロマネコンティが「女王」のような気品を持つのに対し、ラ・ターシュは「王」のような力強さを持つと言われます。

市場価格ではロマネコンティの3分の1から4分の1程度で取引されることが多いため、コストパフォーマンス(あくまで相対的な意味ですが)を重視する愛好家にとっては、1985年のラ・ターシュも極めて魅力的な選択肢となるでしょう。

ロマネコンティ1985の価格と資産価値

ロマネコンティの1985年物は、単なる高級ワインの枠を超え、世界中のコレクターが渇望する「資産」としての側面を強く持っています。

ここでは、近年の価格動向やオークションでの驚くべき記録、そして高額取引に伴うリスクである偽物の見分け方について解説します。

現在の値段と過去の価格推移

1985年のロマネコンティの価格推移を見ると、この30年間でどれほど資産価値が上昇したかが如実に分かります。

1990年代には、日本円にして20万円から30万円程度で取引されていましたが、その後、世界的なワイン投資ブームや中国市場の台頭により価格は急騰しました。

2010年代に入ると100万円の大台を突破し、2024年から2025年時点の市場では、1本あたり300万円前後(約18,000ドル〜22,000ドル)で取引されることも珍しくありません。

過去20年ほどで価値は4倍から5倍に跳ね上がっており、S&P500などの株式指数と比較しても遜色のないパフォーマンスを見せています。

最近は市場全体の調整局面も見られますが、1985年のような記念碑的なヴィンテージは価格が下がりにくく、安定した資産性を保っています。

オークション相場と買取事情

サザビーズやクリスティーズといった主要なオークションハウスでは、ロマネコンティ1985は常に注目の的です。

特に衝撃的だったのは、2020年から2021年にかけての事例です。

フィレンツェの名店「エノテカ・ピンキオーリ」が所有していた6リットルボトル(マチュザレム)の1985年物が、なんと約1億1000万円以上で落札されました。

これは極端な例ですが、通常の750mlボトルであっても、保存状態(プロヴェナンス)が確かなものであれば、高額での落札が期待できます。

もしお手元に1985年のロマネコンティをお持ちで売却を検討されている場合は、一般的なリサイクルショップではなく、ワイン専門のオークションや、高額ヴィンテージの取り扱いに慣れた専門買取店に相談することを強くお勧めします。

偽物に注意!見分け方の基本

残念ながら、ロマネコンティ1985のような高額ワインには、常に偽造品(フェイク)のリスクがつきまといます。

かつてワイン界を震撼させた詐欺師ルディ・クルニアヴァンも、古いDRCの偽造を得意としていました。

購入を検討する際は、信頼できるショップやオークションハウスを選ぶことが大前提ですが、基本的なチェックポイントを知っておくことも自衛につながります。

【重要】自己判断は禁物です
ここで紹介するポイントはあくまで一次的な確認事項です。精巧な偽造品を見抜くには専門家の鑑定が不可欠です。「本物かどうか怪しい」と感じたら、必ずプロに相談してください。

ラベルやボトル番号の確認点

真贋を見分ける際、特に注目すべきなのがラベルの細部です。

1985年の正規ボトルには、フランス語のアクセント記号に関して明確な特徴があります。

まず、ラベル下部の「Propriétaire(所有者)」という単語を確認してください。

1978年以降の正規ラベルでは、最初の「e」にアキュート・アクセント(´)が付いているはずです。これが無かったり、向きが逆のグレイヴ・アクセント(`)になっていたりする場合は、偽物の可能性が高まります。

また、「Appellation Romanée-Conti Contrôlée」の行にある「Contrôlée」の「o」の上にサーカムフレックス(ˆ)があるかも重要なチェックポイントです。

※本画像は、真贋確認のためのアクセント記号の位置を解説するイメージ図であり、実際のラベルの正確な再現ではありません。

※実際の商標を避けるため、名称の一部を“XXX”で表記しています。

さらに、ボトル番号(シリアルナンバー)も重要です。

1985年のロマネコンティの生産本数は6,000本弱と言われています。

そのため、ボトル番号が「006000」を大きく超えているものは理論上存在しません。

インクジェットプリンター特有のドットが見える粗い印刷や、不自然に汚されたラベルにも注意が必要です。

ロマネコンティ1985は飲む芸術品

ロマネコンティ1985は、単に高価なアルコール飲料というだけでなく、ブルゴーニュの厳しい自然と生産者の情熱が結晶化した「飲む芸術品」です。

1月の厳冬を生き抜き、完璧な夏の日差しを浴びて育ったブドウから造られたこのワインは、40年の時を経て今なお圧倒的な生命力を放っています。

1本数百万円という価格は確かに常軌を逸しているように思えるかもしれません。

しかし、その背景にあるストーリーや、パーカーポイント100点に裏打ちされた官能的な体験を知れば、世界中の愛好家がなぜこのヴィンテージに熱狂するのかが理解できるはずです。

もし幸運にもこのワインに出会う機会があれば、それは一生の記憶に残る体験となることでしょう。

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